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グローバル・サミット・オブ・ウィメン2015参加レポート

グローバル・サミット・オブ・ウィメン2015参加レポート

(株)クオリア代表取締役 荒金雅子

2015年5月14日〜16日、今年で25回目となるグローバル・サミット・オブ・ウィメン(GSW)がブラジル・サンパウロで開催された。「Creative Women-Creative Economics」をテーマに、世界63カ国から約1000人の女性(とごく少数の男性)が出席し、熱い議論が交わされた。主な参加国は、米国(71名)、南アフリカ(55名)、ベトナム(52名)、中国(51名)、スペイン・モンゴル(35名)、コンゴ(32名)、ポーランド(29名)、フランス(26名)、メキシコ(25名)など。各国から参加の女性閣僚は35名に上った。日本からは初参加の男性も含め10名。企業の管理職女性、大学教授、NPO代表、起業家など多彩な面々。毎回新しい発見と素晴らしい出会いのある、日本ではなかなか体験できない大規模な国際大会。GSWの様子を紹介しよう。



○今年の主役は19歳の女子学生Raissa Muller
「女性と経済」をコンセプトに開催されるGSWでは、特に若い女性の育成に力を入れている。併設されたYouth Forumには地元サンパウロ大学から150名の学生が参加。20名の女子学生が奨学金を受けGSW本大会に出席し、熱心に話を聴いていた。
マイクロソフトブラジル社は、GSWにあわせ、若者の起業家を育成する「ガールズアプリコンテスト」を主催。受賞プロジェクトは障害者向けのソフトを開発した女性だった。
中でも今回の主役は、ブラジル出身でハーバード大学に在籍する19歳のRaissa Mullerさん。
https://www.youtube.com/watch?v=2QhcDr-sO9A&feature=youtu.be

彼女は、汚れた水路から油を吸い上げる特殊なスポンジを開発し、回収した油を再利用するという研究を続けている。ブラジルの水質汚染は深刻で、2016年ブラジルオリンピックのセーリング会場となっているグアナバラ湾では、水質浄化が大きな課題となっている。私たちも空港への帰路、川沿いを走るタクシーに流れ込むどぶ川の臭いに閉口した。その水質浄化に取り組む彼女は、将来は世界中の汚れた水をきれいにしたいと力強く語っていた。途中、機材トラブルでスライドが投影されないというハプニングがあったが、動じることなく堂々とスピーチする彼女に、会場はスタンディングオベーションの嵐だった。

「テクノロジーというツールを活用する若者の経済的創造性を育成しなければならない。それは、21世紀の生産性への扉なのだから」 と語るナティビダッド氏の言葉に深く共感。

今回日本から参加した神戸女学院大学教授の津田・ヨランダ氏は、2013年のGSWマレーシアに教え子6名を同行して参加。彼女達は世界中の女性リーダーが集まる会議に刺激を受け、その後、留学したり大学院に進学したりと活躍しているそうだ。カナダに本拠地をおく、「Girls20」というNGO団体は、G20に併せ毎回若い女性を世界中から招待し同様の会議を開いている。http://www.girls20.org/
日本では、メットライフアリコ生命が「TOMODACHI MetLife Women’s Leadership Program」を創設し、スカラシップを設け、この大会に女子学生を毎年送り込んでいる。
GSWについても同様の制度ができないものかと考えているところだ。

〇The business case for gender equity
女性CEOフォーラムに加え昨年から男性CEOフォーラムも開催されるようになった。
企業経営にとっていかに女性活躍が重要か、男性経営者が様々な角度から語るこのフォーラム。今回はブルームバーグニュースラテンアメリカ(ブラジル)社長、GMコロンビア社長、Fersol ブラジル社長、Avonブラジル社長、マクドナルドラテンアメリカ(パナマ)社長という面々。柔軟さ、楽観性、未来志向、明晰さ、彼らに共通する資質だ。日本でもイクボス企業同盟や女性活躍を宣言する経営者がチラホラ現れている。このような大会で外国人CEOの中で堂々と女性活躍を語る日本人男性経営者が増えてくるとことを願ってやまない。

○建設・土木業界でも進む女性活躍
ここ数年、女性が少なかった業界や分野での女性活躍の報告が増えている。Technip社は、フランスに本社を置くプロジェクト管理、エンジニアリング、建設関連企業。近年ジェンダーダイバーシティの推進に力を入れているが、とりわけブラジルでの成長が著しい。Technip in Brazilの社長Adriano Novitsky氏は、まず50年前のエンジニアリング学科の卒業式の写真を披露。全員男性だ。それが50年後ではどうだろう。その4割を女性が占めているという!これだけでも大きな変化を感じるが、ブラジルTechnip社4050人中女性は750人(18.5%)、女性管理職はなんと24%。ボードメンバーに至っては45%!と半数を占める!上に行くにつれ女性が少なくなるのが組織の常識だが、この会社は上に行くほど女性の比率があがっていくというから驚きだ。

しかし、Adriano氏は、現場のオペレーションポジションの女性管理職比率は4%でしかなく、まだまだ充分活躍できていない、女性活躍のチャレンジに終わりはないという。建設業界は典型的男性社会。女性活躍はまだまだこれからという業界だが、これだけ女性が働いていてしっかり業績を上げているという話を聞くととても心強い。日本でも2020年のオリンピックに向けて、女性活躍を含めてダイバーシティ推進が加速しているが、Technip社のように本気で取り組まなければ,その恩恵を受けることはできないだろう。
http://www.technip.com/en/content/2015-global-summit-women

○D&Iのカギは、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を取り除くこと
今年に入って、ダイバシーシティ研修で重要視されているのが「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」を取り除くトレーニングだ。今回のGSWでもリーダーシップトラックの一つとして登場。最も楽しみにしていたテーマだ。

スピーカーの一人、米国最大級のリサーチ&エンジニアリング会社SAIC のChief Human Resources Officer Kimberly Admire氏は、アンコンシャスバイアスが職場に与える影響やその対処法から、個人でとしてこのような偏見にどう対応するかまでコンパクトにわかりやすくまとめて紹介してくれた。CEOになる男性は平均的な男性に比べ背が高い人が多いがほとんどの人はそれを気にしない。また、採用面接の際に黒人か白人か事前にわかるとその採用比率は明らかに異なるが、多くの人は能力や資質の違いだと考えている。アンコンシャスバイアスには実に150以上の種類があるという。これらをなくすことは困難だが、当たり前だと思いこんでいるその意識に敏感になり、その奥に潜む固定観念や先入観、偏見に光を当て、センシティブになること。それがアンコンシャスバイアストレーニングだ。

いくつかあるトレーニングの中に「Rooney Rule for interviewing candidates」というものがある。これは、アメリカ・NFLのピッツバーグ・スティーラーズの会長ダン・ルーニー氏が考案したルールのことを言う。NFLではチームのヘッドコーチを決める面接の際に、必ず黒人もしくは少数派民族のコーチを候補に含めなければならない。2003年にこのルールが採用される以前は、およそ80年間で7人だったアフリカ系アメリカ人の監督は、2003年の導入以降11年間で11人とその割合は増えているという。いわゆるポジティブアクション的な発想であるが、意識してみないとそこの歴然とした差があることは見えにくいのだ。私も日本で様々なアンコンシャスバイアストレーニングを実施しているが、基本的な考え方やトレーニングはやはり世界共通だと再確認することができた。同調圧力、集団浅慮、集団疑集性の高い日本では、ますます重要となるテーマだろう。

実り多いGSWだったが、今回日本人出席者にとっては非常に重要な大会でもあった。25年目となるこの大会、すでに韓国、香港、中国、マレーシアと近隣国では開催済だが、実は日本ではまだ開催されていない。その日本での開催が毎年出席している私達の悲願だったのだが、今回2017年の日本開催に向けてプレゼンテーションをする時間を頂き、高い評価をもらったのだ。大会開催までには多くのハードルがあるが、世界中の女性リーダーが集結するGSWが日本で開催されたらどんなに素晴らしいだろうか。2020年女性管理職30%をめざす日本にとって、挑戦と行動をかき立てるイベントになることは間違いない。まずは、来年6月のポーランド大会に50名の日本人女性を連れて行く。それが私の次の目標だ。



*GSWをきっかけに誕生したWomen help Womenの主催により7月22日(水)19:00〜東京溜池山王スカンジナビアセンターにて、GSW2015の報告会を開催します。ご興味にある方は是非ご参加下さい。詳細はクオリアHPにて案内します。
http://www.qualia.vc/index.cfm
(文責:荒金雅子)

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