Diversity & Inclusion Blog

Welcome to Diversity & Inclusion Blog.
ダイバーシティの推進を願い、より多くの意義ある活動や世界の情報を、より多くの人に届けるため発信していきます。
GEWELのメンバーや志を同じにする人たちから、日本や世界のダイバーシティ&インクルージョン情報をお届けします。
D&Iは、許容できない存在と向き合うこと

許容できない存在?「母娘クライシス あなたの愛が重い」より
藤井 幸子

先日NHKのクローズアップ現代で、“母娘クライシス あなたの愛が重い”というテーマが取り上げられました。番組では毒母、ポイゾン・ママ、ヤバ母という聞いたこともないような言葉が現れました。

団塊世代の母親と娘の関係に問題があるケースが多い、として取り上げられました。専業主婦だった母親は、自分がやってきたように、完璧に子育てや家事をするよう娘に口を出したり、子どもを保育園に預けるのはかわいそう、と言ったりします。働きながら子育てもしている娘にとっては、味方だと思っていた母親から、完璧に役割を果たせ!という重圧を受け、耐えられないというケースもあると言います。

他にも、母親が自分の生き方を決めてきたことに、自分で自分の人生の選択してこなかったことに、娘はある日気づく。また、母親が示すハードルを超えられない自分がいやになる・・・など。どちらも子離れ、親離れしていないことに気づいていないケースの様です。母親は「自分の娘に何かしてあげる母親ってそんなに迷惑なの?」という感覚だそうです。

娘との関係に限らず、日本社会はもともとはアマテラスから始まったものだと伝えられています。
日本社会の家族関係の変化に大きくかかわったのは、団塊世代の母親です。私自身も団塊世代なので何とも言い難いのですが、何らかの形で、家族以外の人間関係を大人として築くことができなかった人達が、自分の子供に対して、無意識でコントロールしようとする意識が働いているのか、あるいは自分が達成できなかったことを子供に託しているのだろうか、とも思います。

私の友人も、ある日、母親の思うとおりに生きてきた自分の生き方をやめてから、すっきりした、と言うのを聞きました。母親も決して悪気ではなく、自分の娘のために、役に立つようにと思ってのことだと思います。しかし子供にとっては親は絶対的な存在と思う傾向があります。そこでお互いを加害者、被害者という立場でみると、以上のようなことが起きてくるのではないかと思います。

この放送があった後のメールの一部をご紹介します。
・私も今両親と断絶状態です。苦しいです。(49歳・女性)
・一週間に一度、実家に行く前日、頭痛と発熱がでました。母が父の悪口を言い続けるのをずっと聞き続け、私たち子供のために全て犠牲にしたと聞かされます。母の機嫌が私の毎日を決めます。10年以上精神科に通っています。もう会いたくない。(57歳・女性)
・心配だからと何かと口出ししてくる。最後の一言が「家族だから」と殺し文句。何かと干渉してくる母親は、はっきり言ってつらいです。うつになったのも、母親の干渉が一つの原因です。今、事情があって、母のもとにいますが、いずれは独立して、母とは絶縁をするつもりです(48歳・男性)
・50代にしてやっとわかったことがあります。母は私を愛していたのではなく、支配したいだけだったのだと。ずっといい娘でいたけれど、母を嫌いだという気持ちを自覚しました。もう自分をだまさなくていいんだということも(54歳・女性)

家族でありながら、こんな状態の人が少なからずいるという日本の社会って大丈夫かなと思います。私は以前、日本に住む外国人の方から言われたことが忘れられません。「日本の母親が変われば、日本社会のD&Iはもっと進む。」と。

いま、若い世代の女性達に、専業主婦志向が高くなっていると言います。これも自分の母親がロールモデルになっているケースなのかもしれません。家族の間でも、本音で話をしていないことも起因しているのかもしれません。娘は母親に対し、自分の考えで進みたい、決めたいといえないのかもしれません。母親には娘には苦労させたくないから、経験ある自分の判断に従うように、という思い込みがありそうです。

一方では、スマートフォンでつながる人が増加している今の社会の特徴を「接触過剰」という人がいます。ネットでは多くの人とつながっているが、すぐに反応しないと仲間外れになるという怖れや不安が蔓延しているといいます。

朝日新聞の12月11日朝刊文化欄 「つながりすぎ社会を生きる」で、「個」であるために、接触からの切断をする勇気もいるという記事が出ていたことは注目に値すると思います。
D&Iについても、マイノリティの声に耳を傾けようという優等生的な考えで、他者への配慮をといいながら、「大前提として許容できない他者が存在すること」を見ようとしないことが多い、と書かれていました。許容できない存在に対して、ヘイトスピーチに行ってしまったり、マイノリティの人達があたかも存在しないようにふるまう人達が多いということです。

お互いを客観視できるかどうか、がクリティカルなことではないかと思います。
私自身も客観的に人を見ることができるようになってから、人生が少し楽になったような気がします。

自分を知るとか、自己認識が大切といわれますが、自分のコア、基本になるあり方をしっかり持つことがD&I実践の基本だと思います。何かと人のせいにするのは、自分のコアを見ようとせず、与えられたもので生きているケースに多く見られるような気がします。
D&Iの旅は一生続くということの根拠はこの辺にありそうです。


| Maki | 最新D&I情報 | 22:39 | comments(0) | - |
NPO法人GEWEL
『女性役員の登用とコーポレート・ガバナンス』

■新春シンポジウム2014
『女性役員の登用とコーポレート・ガバナンス』

日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(CGネット)では、
ダイバーシティ経営の重要性が認識され、女性役員の登用に関心が集まっ
ていることを受けて、森まさこ内閣府特命担当大臣から政府の取り組みに
ついてお話を伺うとともに、女性執行役員の現状と課題、ボードダイバー
シティとガバナンスの関係について取り上げるシンポジウムを企画しまし
たので、協賛団体会員の皆様にご案内申し上げます。

▼お申込みは「日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク」のホーム
 ページからお願い致します。
 申し込みフォームで「該当する協賛団体名をチェック」してください。
 http://www.cg-net.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■新春シンポジウム2014
『女性役員の登用とコーポレート・ガバナンス』

【日 時】2014年1月20日(月) 12:30〜16:00

【場 所】全国町村会館 ホール(千代田区永田町1-11-35)
     http://www.zck.or.jp/kaikan/access/index.html

【趣 旨】
2013年6月14日に閣議決定された成長戦略「日本再興戦略」には、
「全上場企業においてまずは役員に一人は女性を登用」と記載されていま
す。登用状況の開示も求められていることもあり、これから日本企業の間
で女性役員(取締役、監査役、執行役、執行役員)の登用が大きな経営課
題になっていくものと思われます。
CGネットでは、従前からコーポレート・ガバナンス向上の視点で、取締
役会(ボード)のダイバーシティの重要性を訴えてきましたが、政府から
女性役員の登用促進という重要なメッセージが出されたことを受け、女性
役員に焦点を当てたシンポジウムを開催します。
森まさこ内閣府特命担当大臣から基調講演で政府の方針を伺った後、大手
企業の女性執行役員の方々にお集まりいただき、実態と課題について議論。
さらに、会社法上の役員で女性を3名置いている企業関係者(経営者、社
外取締役)を迎えて、ダイバーシティとガバナンスについてパネルディス
カッションを行います。
本シンポジウムの開催を通じて、ダイバーシティ経営とガバナンスの重要
性を再認識するとともに、女性役員の登用企業の先進事例を示すことで、
実効性の確保への貢献ができればと考えています。

【構 成】

■第1部■ 基調講演(12:30〜13:00)

『日本再興戦略と女性役員登用への期待』(仮)
 森 まさこ 氏 (内閣府特命担当大臣)

○出演者略歴
 http://www.cg-net.jp/pdf/20140120sympo-keynote.pdf


■第2部■ パネルディスカッション1(13:00〜14:20)

『女性執行役員の実情と今後の課題』(仮)
◆パネリスト
 富永 由加里 氏(日立ソリューションズ 執行役員 金融システム事業部長)
 早川 知佐 氏 (カルビー 執行役員 IR本部長)
 政井 貴子 氏 (新生銀行 執行役員 市場営業本部 市場調査室長)
◆モデレーター
 福島 敦子 氏 (ジャーナリスト、ヒューリック 社外取締役)

○出演者略歴
 http://www.cg-net.jp/pdf/20140120sympo-panel1.pdf


■第3部■ パネルディスカッション2(14:30〜15:50)

『ボード・ダイバーシティとコーポレート・ガバナンス』(仮)
◆パネリスト
 斎藤 敏一 氏  (ルネサンス 代表取締役会長)
 スコットキャロン氏(いちごアセットマネジメント 代表取締役社長パートナー、
  いちごグループホールディングス 代表執行役会長、チヨダ 社外監査役)
 松田 千恵子 氏 (首都大学大学院社会科学研究科経営学専攻 教授、
  エステー・日立化成 社外取締役、サトーホールディングス 社外監査役
◆モデレーター
 金野 志保 氏  (八重洲法律事務所 弁護士)

○出演者略歴
 http://www.cg-net.jp/pdf/20140120sympo-panel2.pdf

☆役員四季報2014年版(東洋経済新報社)によると、上場会社3532社
 のうち、会社法上の役員(取締役、監査役、執行役)で女性が3名以上
 いるのは25社となっています。
 第3部の男性パネリストの関係する、ルネサンス(齋藤会長)、いちご
 グループホールディングス(キャロン会長)はそのうちの2社です。


【参加費】GEWEL(協賛団体)会員の皆様 2,000円(税込)
     (一般 3,000円)

主催:特定非営利活動法人
   日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(CGネット)

協賛:一般社団法人 国際経営者協会(IMA)、
   NPO法人 J-WIN、NPO法人 GEWEL、WCD日本支部、
   公益財団法人 21世紀職業財団、一般社団法人 日本IR協議会、
   一般社団法人 日本CFA協会、
   公益社団法人 日本証券アナリスト協会、
   一般社団法人 日本投資顧問業協会、
   一般社団法人 日本ヒーブ協議会

後援:株式会社東京証券取引所、内閣府男女共同参画局


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■お問い合わせ
 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(CGネット)事務局まで
 お願い致します。
 TEL:03-5473-8038 FAX:03-5473-8198
 http://www.cg-net.jp/   E-mail: info@cg-net.jp
| Maki | 最新D&I情報 | 22:11 | comments(0) | - |
NPO法人GEWEL
GEWEL Open Forum Report 3

GEWELオープンフォーラムから
私が元気と勇気をもらったコメントを一部ご紹介します
杉田 典子


(つづき) ******
最後のグループディスカッションでは以下のテーマについて話し合い、その内容がシェアされました。



グループディスカッション内容
1. パネルディスカッションを聴いて、気づいたこと、共感したこと、疑問に思ったことなど自由にお話しください。
2. 明日から、自分としてどんな一歩を踏み出しますか?
具体的なアクションをあげてください

* 女性にとって昇進より認められ方の具体的なところが重要。「どういうところがいい?どうしていけばいい?」と女性自身が積極的に聞いていく姿勢が重要だと思う。
* 日本企業に勤めている人に多いようだが、上に行っている人が幸せそうに見えない。上にいる人間は、逆に自分がどうやったら楽しさを体現するかを考えるのも大事。
* 変わりつつあるが、今の働き方は専業主婦のサポートを得て仕事している男性が中心。30代男性は女性が働くことに、よりサポーティブなので、このように認識が変化することも前に進める一因となるのでは?

 会の最後には、漆先生ご紹介の、ほとんど男性ばかりの3万人セイノーホールディングス取締役社長の田口義隆氏がこのように発言されました。「ダイバーシティ=日本の国力を上げるために、社会の中にある女性というアセットをより有効に活用すること、という男性的な捉え方をしていた。パーソナルライフの充実という見方でみるという勉強が今日出来た。」

クロージングの前に以下のコメントを頂戴したので、ここに掲載させていただきます。

茅野氏:2月に社長室に呼ばれてサプライズ人事で執行役員になってくれと言われた時、猪口邦子先生の言葉を思いだした。女性は三つの「ひ」=ひがむ、ひるむ、ひっぱる。自分は頼まれたらひるむことはしないと決めていたので、「ありがたくお受けします」と即答した。心配はあったが、思いがけず、(心配のあまりか)周りがサポートしようという動きが出て、そんなに大変でもなかった。よく「チャンスは前髪しかなく、過ぎ去ったらもうつかめない」と言われる。今後もチャンスをつかんでいくし、皆様にもそうしてほしい。

漆氏:校長になって半年で心身の重圧でぎっくり腰や難聴になった。70代男性たちが言われなかったことを、自分は言われた。このままだといつまで働けるだろうという懸念からトライアスロンに。練習で予定をブロックすると逆にパフォーマンスが高まった。私が楽しく元気でいると学生たちはそんな自分を見て後に続くのだと今日再確認できた。

平井氏:Forbesの記事で紹介されていたが、米国の世論調査会社ギャラップ社が行った20数万人対象の調査で“仕事が楽しいか”ということに対し、中国では6%が楽しいと。日本もたったの7%。やはり楽しまないと。楽しみは与えられるものではなく、自分で見つけるもの。ジャッキー・ロビンソン(アフリカ系アメリカ人の野球選手)の映画『42〜世界を変えた男〜』を最近観たが、米国がダイバーシティで進んでいるというのは勘違い。日本も卑下する必要はないので、自信を持って進んで行って欲しい。

大変盛況に終わり、アンケート回収率は91%で、温かいメッセージが多かったです、ありがとうございました。当日参加者数103名、今回は開催日の約7週間前に定員に達し、テーマへの関心の高さが伺えました。

◆次回のGEWEL Open Forumは規模を広げて2014年11月7日に開催します。
乞うご期待!
| Maki | D&Iイベント報告 | 11:43 | comments(0) | - |
NPO法人GEWEL
社会起業家とリーダーの出会いの場

ソーシャル・ビジネス・アイディア・プレゼンテーションを聴いて思うこと
藤井 幸子

11月30日午後、漆先生が校長を務めておられる品川女子学院講堂で、標記のイベントが行われました。
これは、ソーシャルビジネスプラットフォーム(SBP)(社会的課題を解決するアクションが持続可能なビジネスに発展することをサポートする組織。企業がパートナーになっている)が企画したものです。

第1部は、高校生の部、第2部が社会人の部で、社会的課題を見つけ、それを解決するようなアイディアを発表する場です。参加者の中には有名企業の経営者や講演会で講師としてよく見聞きする方々などもおられ、ソーシャルビジネスに対する企業の関心の高さが感じられました。

高校生の部では、下記のようなアイディアが発表されました。

・野菜の生産者と消費者をつなぐビジネス
 どんな想いで食物を作っているのかを知り、消費者とつなぐためのシステム。

・藻―ターバイク
 藻をエネルギーにし、バイクのタイヤも藻を原料にしたものができそう。

・土湯魅力創造プロジェクト
 福島の高校生が好適環境水を利用した海水魚の養殖、地熱を利用した南国フルーツの栽培をビジネス化する(すでにこれは実現化に向けて走っている。

・3.11による医療課題解決プロジェクト
コミュニティの崩壊による高齢者の独り暮らしの男性が社会的接触も少なく、病気の可能性が高いこと。かつ保健師の不足を課題としてとらえている。

・“じもプラ”:地元にプライドを持とう。
・トライジモン(地元に興味を持たせるトライアスロンのようなイベント)など。
地元への誇りが欠落しているために、地元コミュニティが崩壊しつつあるのでは?という危惧を感じた地元プロジェクト。

高校生でありながら、社会の課題をちゃんととらえていることに感心しました。
私たち大人は、既になぜかまで知っているような思い込みがあり、課題に正面から取り組もうという姿勢に欠けていたような気もしました。特に単身高齢者男性に問題がある。と男子高校生が分析しているところなど、すごい!と思います。

高校生の時から、ビジネスにつながるようなアイデアを考えている。それに対して大人たちがサポートできるものを考える場をつくるというのは素晴らしいですね。

他に社会人のセッションでは、カンボジアの女性たちが運営する、メコンブルーというブランドをマーケットアクセスを手伝っている方の発表では、カンボジアからその女性リーダーが会場に来て挨拶もされました。カンボジアの女性の自立のためのプロジェクトで、子供たちに学校教育を受けさせる、女性の自立などを目的とするものですが、その製品も素晴らしいシルク製品です。しかし、原料を買う資金がないため、予約販売のみだそうです。

石巻2.0という石巻復興プロジェクトは、石巻の外から来た人たちも入って、20ものプロジェクトを走らせているとのことです。ほかにも児童保護施設に入っている子供たちの大学進学支援など、大きな課題に取り組んでいるNPOの発表、支援依頼。亀田総合病院経営企画室の方の千葉県の安房の10万人計画が発表など。社会的課題をとらえたビジネスアイデアで、発表を聴いている企業の持つアセットで支援できれば実現可能なものです。想いをビジネスにつなげるために企業とのコラボができると素晴らしいですね。

SBPはセイノーホールディングスの田口社長がなさっているものです。経営者の方がこういう場づくりをされているのは素晴らしく、会場でも何かと気を使って運営に目配りをされていました。会場を学校にしたのもいいアイデアだと思います。

プレゼンターの詳細はSBP HPまで http://sbplatform.jp/archives/114
| Maki | D&Iイベント報告 | 11:06 | comments(0) | - |
NPO法人GEWEL
GEWEL Open Forum Report 2

GEWELオープンフォーラムから
私が元気と勇気をもらったコメントを一部ご紹介します
杉田 典子


(つづき) ******
・日本生産性本部のデータによると、女性社員の活躍推進の課題のトップは4年連続、8割がそうだと回答する「女性社員の意識」(昇進、昇格への意識が低い)である。女性はあまり昇進を気にしないようだが、なぜか?

茅野氏:男性は100点中50点の自信でも「やります!」の姿勢。女性は100点中80点でやっと手を挙げるなどの違いがあるのでは?昇進よりも自分のやりがいを重視しているように見受ける。 
元々自分もスペシャリストの立場から、マネジメントのラインに入るように打診された際、気が進まなかったが、昇進し、ラインに入ってから仕事が楽になり、その面白味も体験できた。

漆氏:今の中高生を見ると、スピーチコンテストの入賞者など、プレゼン系は女子が強い。留学志望者も女子の方が男子より多い。少子化の影響もあり、タフになってきている女子たちが社会に出ていくようになると構造が変わってくるかもしれない。

平井氏:弊社では今年、マネジメント階層を一つ減らし、事業部長か部長、どちらかの一階層にした結果、部長からスタッフになった者もいて反発にあった。だがこれからの組織は局面毎にサインで指示が出る野球型から、戦況の変化にリアルタイムで選手が適応しダイナミックにプレーするサッカー型であるべきだと思う。
社長が一番偉いわけではない、全部がフラットだ。実際自分は見積もり作成も出来ず、機械修理もできない訳で、社長も会社のなかのひとつの役割であり、弊社では役員会でも社長の意見が否決されることもある。

・上を目指そうという時の壁について、どんな壁があり、乗り越えるためにどうすればいいか?

茅野氏:既に上の立場にいる女性が女性を引っ張り上げることも重要。

平井氏:employee engagement=社員がいかに参画できるか、を根付かせることが重要。これによって男女とも壁を乗り越えられるのでは?ハイポテンシャルな若手女性社員対象のプログラムを20名弱で今年からスタートする。そこで、弊社に限ったことかもしれないが、女性の共通の足りないスキルが見つかった。情報社会の現代で、データ→インフォーメーション→インテリジェンスに変えて初めてビジネスが成立するが、弊社の女性社員はここが弱い。ばこんとインパクトの強いことは言えるが、データで示す、或いはエクセルシートからフレームワークに落とし込むプランニングスキルが弱いと感じる。よってこれに特化したトレーニングコースを強化しようとしているが、この傾向は弊社だけではないかもしれない。

また、やりがいがあったら楽しく、これをどれだけ持てるかが重要。2011年度に日本経営品質賞を受賞し、今年米国マルコムボルドリッジ国家品質賞25周年記念のクエスト会議に日本を代表して参加した。2012年にマルコムボルドリッジ賞を受賞したのは4組織:大企業、中小企業、病院、地方自治体。これら業種、地域が違う4組織がコーポレートカルチャー、タレントデベロップメント、エンプロイーエンゲージメントをこぞって大事だと挙げたのが印象的だった。

・壁を乗り越えたその先について、そうなった時、企業・社会はどうなっていくか?
漆氏:家庭のありかたが変わるのでは?現在は、年齢、職位、収入が同等の夫婦でも、保育園の送り迎えとも女性がやっているというようなケースがある。一方、夫婦が働いていて、男性が家族の生活費のほとんどを負担し、女性は収入を自分のために使うというケースも見受けられ、まだまだ「女性は好きで働いている」「男性は家事をしなくていい」という風習が残っている。夫婦ペアで昇進も家事も考え、ワークライフバランスをとるパターンができていけば新しい社会になっていくのでは?

平井氏:パーソナルライフが充実するのでは?男女とも仕事は自己実現の場としていくことで、パーソナルライフ(個人生活、家族生活、地域社会とのつながりなど)が素晴らしくなるのでは?

・そのような社会実現のために、何を具体的にやっていくのか?
漆氏:文化祭のクラス発表のテーマとして、中3のあるクラスがダイバーシティをかかげ、セクシャルマイノリティーの研究をした。きっかけはセクシャルマイノリティーの結婚をサポートする結婚式場のシステムをやっている人の話を聴いたこと。そこから研究が進み、その年の最優秀発表となった。さまざまなバイアスや思い込みをはずし、人間同士がみんなで働いていく社会を築くためにどうするかの一部として男女を考えていくと発展性があるのではないか?
また、サウジアラビアでは、70年後にオイルが枯渇した時、次の資源は人財となるということで、世界最大の女子大や女性のインキュベーションセンターを造っていてそれが国家戦略となっている。必要に迫られた形で日本も戦略的に考えるべき。

平井氏:テレワーク(在宅勤務)を安倍政権も推進しているが、弊社でも推進し、希望する社員には会社のオフィスで使っているものと同じIP電話機、ルータ、テレビ会議システムなどを提供している。こういう技術を使っていけば、これから介護をしていかなければならない男性社員にとっても有益だ。2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%に、という政府の目標があるが、女性で測るのではなく、育児休職をとった男性の人数で男女共同参画をはかっていく方が先進的かも。

茅野氏:働き甲斐のある会社にしていくのは社員。よく女性が「会社がどういうキャリアプランを用意してくれるか分からない」と言っているのを聞くが、どういう貢献が出来るのか、自分のキャリアを自分で提案することも大事だと思う。

その他、漆氏が、「ネズミの嫁入り」の物語を例に循環する人間関係の現象について触れ、力のない人間が周囲に手伝ってもらう形でリーダーシップを発揮できた経験について話されました。また、「フェミニストの母親に育てられた」茅野氏がジェンダー・ステレオタイプを測るテストで女性に対して厳しい傾向があった結果が出たことがショックだったという話など、経験にも基づいた興味深い話が尽きず、会場は聴き入っていました。

(つづく)
| Maki | D&Iイベント報告 | 11:42 | comments(0) | - |
NPO法人GEWEL
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2013 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ LINKS
+ PROFILE