Diversity & Inclusion Blog

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GEWELのメンバーや志を同じにする人たちから、日本や世界のダイバーシティ&インクルージョン情報をお届けします。
リーダーについて アウンサンスーチーさんの言葉より

「人はその人生で、やりたいことをやるのではなく、やるべきことをするのが人生だ。」
―ノーベル平和賞受賞者 ミャンマー民主化リーダー アウンサンスーチーさんの言葉―
藤井 幸子

4月中旬に、アウンサンスーチーさんが来日し、いろいろなメッセージを伝えて帰りました。
彼女の言葉は、自国をなんとか民主化して、国民の生活を良くしたいという想いに裏付けされています。祖国の民主化の為に身を投じ、リーダーとなった時から、軍事政権からの弾圧を受け15年もの間自宅軟禁され、自由を奪われたスーチーさんの言葉は、私が聞いても心を打つものであり、リーダーの言葉として普遍的なものだと思い、いくつかご紹介します。

「民主主義は人に頼らず、自ら勝ち取るものです。勇気をもってともに祖国を変えましょう!」

:この言葉は、国民一人ひとりが変える勇気をもってほしい、国民に「自立してほしい」、ほかの人に頼って自分の望みをかなえようとせず、自ら行動して参加してもらいたいという、スーチーさんの想いに基づきます。また、「人生でタダで手に入るものは何もない、何かを求めるには自分が努力しないといけない。何もせず、ただ希望しているだけ、ほかの人がやってくれると期待するだけではいけない」といいます。「究極的には自分しかない」。だから、必要だと思ったら行動せよ!ということです。

彼女は、このような信念のもとに、2年前にやっと自宅軟禁状態から解放され、1年前に選挙に出馬し、議員となりました。しかし、議会は4分の1が軍人を占め、圧倒的権限を持つ軍と対峙しなければ、法律を変えて、民主国家を目指すことは困難です。

「ギブアンドテイクは100%自分の要求を通すことではなく、相手の立場も理解し、両者が新しい状況で何かを得ることです」

:スーチーさんが現体制の権力者たちにアプローチして、現実路線にシフトしていることに反対する人達に対して。より良い未来に大切なのは、国民が和解、協力することであり、共通の願いや目標に向かって協力することです。自分の価値ばかり考えていては、相手に影響力を持つことは難しい、という考えを具体化したものです。

私は、正義感に基づいた推進力で、ほかの人を否定し、相手が思わずひいてしまうことを自らも経験しました。こんな時に、相手にとって、受け入れられるように、咀嚼したメッセージやアプローチに変換するプロセスを取っていれば、結果的に自分が思うような方向に持って行けたかもしれないという反省も含めて、こういう視点も大切だと思います。

影響力を及ぼすには、相手を否定せず、相手の言い分をまず聞き、それをもっと自分たちに価値あるものにできないか?と相手の力を使って、影響力を及ぼせれば、その方が結果に近づきやすいとも言えますね?

「人々が変化を引き受けるには、安心感が必要です。変化とは、未知の新しい領域に足を踏み入れることで、多くの人には、それが不安をもたらします」

:何か新しいことを始めるには、新たな場所に行ったとしても、大丈夫だという自信を持たせることが必要なのです。人には今いる場所から動きたくない人が少なからず存在します。今の自分を肯定し、変化は必要ない、このままで十分だと思う人たちです。しかし、ある課題を解決しよう、このままではまずいのでは?という人たちは、現状を変えようとします。このような対立もD&Iの推進プロセスではよくおこることです。

それ故に、リーダーは、現状肯定派に対して、「そんなことであなた大丈夫なの?」ではなく、相手に、「いまあなたが果たしている価値ある役割は、新しい状態になっても(あなたの立場は)大丈夫」と納得させて、相手の行動を変えるような影響力を持つことだと思います。

「相手から力を奪うことが目的ではなく、相手により価値のある役割があることを理解し、その役割を果たせるよう、努力してもらいたい」

:軍に対して、反対するばかりではなく、かつ相手から権力の移譲を迫るばかりではなく、現実路線としてどうすれば、相手が話を聴く態度にまでなるか?と考えてのことだと思います。

D&I推進についても、いくら正しいと思うことを訴えても、相手から力を奪い取るリスクを感じさせずに、あなたたちの力や役割をより価値の高いものにしてください。というアプローチメッセージに変えた方がいいのかと、思った次第です。

□「人はその人生で、やりたいことをやるのではなく、やるべきことをするのが人生だ」

:自分にとって何がやるべきことなのかを常に考えているからこそ、リーダーとして、こういう発言ができるのだと思います。

信頼しうるリーダーは、その人自身の行動が、言っていることと整合が取れています。15年の自宅軟禁の間、自分の信念を曲げずに生きてきたスーチーさんは、本当に尊敬できる、たたずまいの美しいリーダーだと思います。
| Maki | その他 | 23:47 | comments(0) | - |
NPO法人GEWEL
第5回GOLDシンポジウムReport3

D&Iの基本は、自分を信頼し、相手を信頼して、率直に対話を 
アキレス美知子

3月22日にロサンジェルスで開催されたGOLDシンポジウムにパネリストとして参加しました。
テーマは“Driving Change: Towards an Inclusive Organization”で、モデレーターはシスコシステムズのChief Inclusion and Collaboration StrategistのShari Slat氏、もう一人のパネリストはジョンソン&ジョンソンのChief Diversity OfficerのAnthony Carter氏でした。



GOLDシンポジウムの様子 動画はこちら

1時間ほどのパネルディスカッションの中で、特に印象的だったのは、組織にD&Iを浸透させていく上でどんな障害があるかについて話した時、組織文化が大変重要という点で意見が一致したことです。グローバルに展開する企業の多くは、D&I施策やポリシーなどはかなり充実しています。例えば、多くの企業はグローバルなタレントマネジメントシステムを通じて、国籍や性別に関係なく、有能な社員を発掘し、育成しようと試みています。日本でもこの数年グローバルレベルのタレントマネジメントを行う企業が増え、 育児休業や時短、介護休暇など働き続けられる制度も整ってきました。しかし、社員の意識や行動をみると、まだ十分浸透しているとは言えないようです。

米国でも日本でも程度の差こそあれ、組織の上に行くほど、男性社会の構造になっているのが実情です。私は、日本では自分は一歩引いて「遠慮する」ことに価値をおく風潮があることを指摘しました。この「遠慮」は特に女性の意識・行動に多く見受けられ、責任のある職務やポジションに自ら手を上げる際にマイナスに作用しているのではないか、結果としてチャレンジと成長の機会を少なくし、女性管理職、特に部長以上のリーダーが増えない原因の一つではないかと述べました。



偶然ですが、シンポジウム後に読んだSheryl Sandberg氏の“LEAN IN”という本は正にこの点が大きなテーマです。著者はハーバード大学卒業後、米国財務省、マッキンゼー、グーグルと渡り歩き、現在フェイスブックのCOOを務め、二児の母でもある氏は、幾度となくHOLDING BACKしている自分に気がつき、「キャリアに恵まれてきた私でさえそうなんだから、多くの女性はもっと引いているはず。遠慮しないで、会議では真ん中に座り、自分の考えを堂々と述べて、LEAN INしてほしい」と語りかけます。そして、LEAN INする女性たちを強力に応援する男性を職場でも家庭でも増やしていくことが不可欠と訴えています。

パネルでは、最後にD&Iが組織文化として定着していくためには、企業として何をするべきかを議論しました。まず、ビジョンと理念にD&Iの価値を取り込み、トップ層自らあらゆる場面でその重要性を語り続けること、そしてD&Iを体現するスキルを身につけてもらい、行動で表している社員をしっかり評価する人事制度が有効という結論に至りました。私はファイナルコメントとして、「信頼が最も重要。自分を信頼し、相手を信頼して、率直に対話できる関係を築いていくことが、D&Iを進める基本」と締めくくりました。



今回でGOLDシンポジウムに参加させていただいたのは4回目になります。毎回時流に合ったテーマで、気づきも多く、大変勉強になります。今回印象的だったのは、D&Iの中でも「女性」という切り口が改めて注目されていること、有能で魅力ある女性のリーダーたちが本音で語り始めたこと、そしてこの潮流は米国にとどまらず、アジア、ヨーロッパにも及んでいるということです。

おりしも先週、安倍総理が日本の成長戦略の柱の一つに“女性の活躍推進”を掲げました。個人的には「やっと日本政府も一歩踏み出してくれた」と歓迎しています。まだまだ抵抗論や批判があるものの、女性の活躍が男女平等の観点だけではなく、経済成長の優先課題に位置づけられたことは、大きな前進だと思います。GEWELとしても、今後のアクションを注視しつつ、後押ししていきます。
| Maki | D&Iイベント報告 | 23:32 | comments(0) | - |
NPO法人GEWEL
企業情報の開示の働きかけ

コーポレート・ガバナンスに関する報告書への役員会男女構成などについて、記載の働きかけが行われています。

「政府では、人的資源の半分を占める女性の活躍促進が我が国経済を再生・成長させる重要な鍵の一つであるとの認識の下、関係府省庁が連携して様々な施策を展開している」として、4月18日、内閣府は、企業における女性活躍の「見える化」の検討会を開催し、その報告を受けて企業における女性の活躍状況の積極的な開示の働きかけを行っています。

また、金融商品取引所に働きかけをし、東京証券取引所等各金融商品取引所が「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を改訂し、役員会等の男女別の構成などを記載した記載例として「記載要領」に明示しました。

「見える化」検討会によると、「役員会は、投資家のために経営者が企業経営を行っているかを監視する「コーポレート・ガバナンス」における中核機関であり、役員の人的構成を始めとするその在り方は運用機関、投資家の大きな関心事」としています。

「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」は上場企業が作成を求められるもので、今回求められている開示内容は、
・役員等の男女別の構成
・役員への女性登用の状況に関する現状
となっています。

これをうけて内閣府では、各企業において投資家のニーズを捉えた創意工夫に富んだ情報発信が行われることを期待するとともに、今後、各企業による開示状況を分析・公表し、記載要領改訂を受けた新たな記載の中からベストプラクティスを紹介していく予定とのことです。

詳細は内閣府HPまで
http://www.gender.go.jp/policy/mieruka/pdf/topic_20130418.pdf

女性の活躍状況の開示に係る「記載要領」改訂の詳細については、
東京証券取引所のホームページまで
http://www.tse.or.jp/news/09/130418_a.html

| Maki | 最新D&I情報 | 12:45 | comments(0) | - |
NPO法人GEWEL
EUのダイバーシティと企業統治 1

EUにおけるBord Diversityの取り組みと現状 パート1
ジェンダークォータ制について

ゲストスピーカー:佐久間京子氏 
    アヴィサパートナーズ シニアアドバイザー、SA&C代表 

4月15日(月)18時、表参道の東京ウィメンズプラザ会議室にGEWEL賛助会員とGEWELメンバーを中心に19名が集まり、GEWELアドバイザー佐久間京子氏(ブリュッセル在住)を囲んで、EUのBord Diversityの取り組みについてうかがいました。

今回は「欧州のダイバーシティー議論の最前線」に書かれたテーマ、主に、ジェンダークォータ制についてと2012年春に発行される予定だったノンファイナンシャルディスクロージャー、ダイバーシティ方針と非財務リスクの開示に関してなどについてです。



◆ジェンダークォータ制について

日本でも、2020年までに、政治や雇用の分野を含む「社会のあらゆる分野において、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30 %程度」を目指すと発表していますのでご存知の方が多いと思います。

佐久間さんからは次のようなお話がありました。
EUでは、2020年までに女性取締役40%という成長戦略を出していますが、あと7年でどれだけ前進するのだろうか、という議論が展開されていました。

何も施策を講じない場合、年間0. 6%の進展しかしない。なのでこのままいけば企業の女性取締役レベルが40%になるには、達成するのに40年かかることになります。

これではいけない!というので、2012年の11月にジェンダークオーター制が発表されたわけです。

このジェンダークォータ制は、大企業が対象で、250人以下、50ミリオンユーロ以下の企業は対象外となります。
2028年までにどんなことがあっても達成するだろうという計算のもとに消滅する法令となっています。

女性の非常勤取締役を最低限40%をクリアするためには、男性と女性の候補者が選ばれるための明確な基準を持っていないと困難であり、実際に不利になると思います。なので企業は明確な基準を設定しなければいけないということになります。

ジェンダークォーター制については、EU内部では賛否両論あるのが現実で、現在活発なロビー活動が展開されています。推進派には、40%達成できなかった企業には罰則条項をいれよという意見がある一方、反対する意見としては、南国については時期早尚だからという理由がメジャーな意見です。また、ドイツ、イギリスなどの国が反対している理由は、こうしたGender Equalityに関する施策は加盟国主体のほうが国・文化に沿って行われるためEffectiveであるということです。すなわち、EUに対して介入するなといっているのです。

まだ欧州議会で審議されていませんが、欧州議会の指令案に対して、議会として意見をだすことになっており注目を集めているところです。




Press Releases
European Commission weighs options to break the ‛glass ceiling’ for women on company boards

*佐久間 京子 さくま きょうこ
GEWELアドバイザー、前GEWEL理事
アヴィサパートナーズシニアコンサルタント
Sustainable Analysis & Consulting (SA&C) Founder&Executive Director
ブリュッセル自由大学ソルベ・ブリュッセル・スクール・オブ・エコノミックス・アンド・マネージメント研究フェロー(在ベルギー)

長年のEU政策と企業調査・コンサルティングをベースに、2013年1月にアヴィザ・パートナーズのシニア・アドバイザーに就任。EU委員会、欧州政策研究所(CEPS)、OECD、在オーストリア日本大使館専門調査員などを経て、1999年から2000年にかけてヒル・ アンド・ノウルトン・ブラッセルの金融サービス事業、日・EU関係事業の立ち上げに関わる。2001年から2010年にはSRI(社会的責任  投資)調査格付け機関ヴィジオにて企業の持続可能な競争力分析に従事。
現在は、金融と長期投資、CSR, 非財務情報開示といった政策を 中心に、企業と投資家を巡る動向分析や日系企業のEU戦略を サポートする。次世代リーダーの育成に注力するNPO法人GEWELのアドバイザー、企業と社会フォーラム(Japan Forum of Business and Society)の設立発起人。
米国クラーク大学政治学部・国際開発学部卒業後、同ジョージ タウン大大学院で公共政策修士を取得。ソルベ・ブリュッセル・ スクール・オブ・エコノミックス・アンド・マネージメント(ブリュッセル自由大学)で経営学博士を取得後、現在は、同スクールのシニア・ リサーチ・フェロー。
1965年、北鎌倉生まれ。英語の他に仏語、独語を話す。
| Maki | - | 09:58 | comments(0) | - |
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