Diversity & Inclusion Blog

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GEWELのメンバーや志を同じにする人たちから、日本や世界のダイバーシティ&インクルージョン情報をお届けします。
女性は仕事と家庭を両立できない?

女性は仕事と家庭を両立できない:Why Women Still Can’t Have It All」について
〜Anne-Marie Shlaughterさんの論文への反響
藤井 幸子

9月14日の朝日新聞朝刊に「女性は手にできないのか」−仕事・家庭の両立へ米国元高官「告発」という記事が大きく掲載されていました。この記事のタイトルで告発と書かれているのはどんなことか気になり、調べてみました。

このアンマリー・スローターさんは、米国務省でヒラリー・クリントン長官を補佐する政策企画局長として、それも初の女性として2009年1月から2011年1月まで活躍していた女性リーダーです。退任後はプリンストン大学教授になり、The Atlantic という月刊誌7,8月号に表題のエッセイを寄稿し、その反応が世界各国で異なることが、興味深いと言っています。http://courrier.jp/blog/?p=12432

このタイトルは、“両立できない”と言い切っているため、頑張っているワーキングマザーがどう思うか気になるところです。また、女性一般としてとらえることには異論があります。「男性の作ったスタンダードに合わせて、女性が活躍するには、ルール破りをすることも必要だろうし、スタンダードを変えることも必要だ」ということも、メッセージではないかと考えました。

ダイバーシティ&インクルージョンの進化した姿は、「今ある基準で物事を判断することから、解き放たれる」というものです。“女性”を一般化するよりは、スローターさん個人の価値観に基づくことも、このようなタイトルにしたことに含まれるとは思います。論文の中では、女性自身や男性、社会一般のAssumption(思い込み)が障害となっている点も指摘しています。

どうしたら、両立が可能か?
 ^貔厳命になり過ぎない(It’s possible, if you are just committed enough)女性のやる気だけではどうにもならないこともある。ことを知っておく必要あり。燃え尽きる前に、客観的に状況を判断できることも必要です。

◆‥切な人と結婚する場合(It’s possible, if you marry the right person)結婚する相手が、仕事よりも家族のことを優先できる考えを持つ人という意味。

 優先順位を正しくする場合(It’s possible, if you sequence it right)
  子供を産むタイミングとキャリアを確立させる順序をきちんとする。「キャリアを中断せず、それでも子供を産みたい場合は、凍結卵子も考える」とまで書かれているようです。

どうしたら、条件を整えることができるか?
 ‖人佑米き方が可能になる(権利とならないように)

◆_搬欧硫礎佑鮓直す(育児にかかる労力を見直す)

 キャリアパスを再定義する(男性と同じサイクルや基準とは違っていいのでは?)

ぁ々せについて見直す(成功とは、新しい価値観で人生を見直す)

ァ々颪鯤僂┐襦瞥能でやる気のある女性を維持できる組織とは?の考えが社会的基準を変えていくもとになる。)

Α|棒の協力を得る(女性が男性と同じように生きることを見直すためにも、お互いにサポートし合えること)

女性の進出が進んでいる米国で、ほぼトップに上り詰めた女性が、“仕事と家庭の両立はできない”といったことは、さまざまな反応を起こしています。米国でさえ、このような基本的なところで議論されるのは、D&Iの観点からは、まだまだ先が長いのだと思いました。

以前に、男性を変えるのは女性が息子をどう育てるかにかかっていると言った人がいます。それが社会を変える基本になると。それでは父親は娘をどう育てるのか、また、男性は仕事と家庭の両立ができているのか、などなども課題だと思います。

スローターさんの論文を「専業主婦の方がいいと認めてしまった、キャリアウーマンの話」とまとめたメディアもあるとか。世界各国の反応の違いは、その国における男女平等の現状です。スローターさんの論文から、さまざまな切り口でD&Iが議論されることを期待したいと思います。

ちょっと気になるのは、最近話題になっている政治家たちが、『女性は家庭にとどまり、子育てをすることが役割』という考えを、実は表に出していないことです。美しい国とか言った人が表に出ようとしています。問題は、こういう人たちの根本的な人間、人権に対する考え方がどうなのかです。
皆様も、ぜひこの機会に、自分ならどうまとめるか考えてみたらいかがでしょうか?

おまけです。スローターさんは、朝日新聞が主催する地球環境フォーラムにパネリストとして来日するそうです。エネルギーシフトと新世界秩序がテーマですので、仕事と家庭の両立についてではなさそうですが、ご興味あるかたはどうぞ。
http://www.asahi.com/eco/forum/speakers/

| Maki | 最新D&I情報 | 18:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
NPO法人GEWEL
Diversity&Inclusion入門編ワークショップ

私の Diversity & Inclusion ジャーニー ワークショップを開催しました

GEWELでは、Diversity & Inclusionを理解し、実践する方が増えることを目的として、“私のD&I Journey ワークショップ”を企画、実施しています。
8月29日(水)は、セルフエンパワーメントとD&Iをテーマにワークショップを行いました。

D&Iジャーニーの意味を説明し、その第1歩として、自分は何者?を考えるワークショップとして位置付け、セルフ−エンパワーメント即ち自分自身の持つ力に気づくために行いました。前回はやる気スイッチをみつけるという目的で行ったものですが、再度、出来事とその時の自分の気持ちを思い出し、エネルギーレベルがどの位だったかのワークをしてもらいました。そのツールとしてライフチャートを書き、スイッチオフになった時の出来事とその時自分はどんな気持ちだったか?さらにそれはなぜか? また、スイッチオンになった時の出来事とその時の気持、それはなぜ?を質問していくと、自分のスイッチオンとスイッチオフ、そして自分がわくわくするのは何が要因になっているのか?を見つけることができました。

このワークをする中で、自分自身の思い込みに気づき、特にネガティブな思い込みは、視点を変えることで、少なくとも0か、うまくすればポジティブ(自己肯定感を高める)にもなりうると考えます。
セルフエンパワーメントという概念を、自分の中にいる龍(ブータンの王様が福島の小学校を訪れた時、話した龍の話*)を育てることと言い換えてみました。
私達は、自分の知っていることが基準だと考え、それが正しいことと“思いこみ”、異なるものに対して間違っているという感情を生み、他者を排除することにつながると思います。即ち、自分のコアとなる部分があれば、ほかの人も同じように、それぞれのコアを持っていると考え、自分を尊重するし、他人も尊重することにつながると考えています。それがDiversity&Inclusionを理解・実践していくことになると思います。

参加された方からのFBには、自分のスイッチがオンになる時、オフになる時を考え、気づいた。多くの方は、自分の存在価値が認められることが、オンになり自信につながる。別の視点、全く異なる世界に自分をおいたり、他のことを考えることが、落ち込んでいる状態から抜け出せるなど。ある程度共通した部分がありました。

*昨年ブータンの国王夫妻が福島の被災地を訪れ、小学生たちに話した、龍のはなし(以下はブータン首相フェローとしてブータンで働く日本人、高橋孝郎さんのブログからの引用です。)
“A dragon is nothing but our personality. A dragon exists and lives in the heart of each one of us. A dragon thrives bigger and stronger as one grows older and accumulates experiences, and one must always be in control of one’s own dragon. I tell the children of my country to feed their own dragon. I hope you will feed your own dragon, too.”
“龍というのは、人格のことです。ですから龍は、わたしたちの一人ひとり、誰の中にでも住んでいます。龍は、わたしたちが歳を重ねるにつれて、わたしたち一人ひとりの経験を糧にして、大きく強くなります。大切なことは、その龍をたえずコントロールすることです。
わたしは、ブータンの子どもたちに、自分の龍を養い育てなさい、と言っていますが、皆さんも自分の龍を養い育てて下さい。”

| Maki | D&Iイベント報告 | 14:08 | comments(2) | trackbacks(0) |
NPO法人GEWEL
原発事故は人災だった?

先送りをするJapanizationの結果か?
学術会議 学術フォーラム‐原発事故調査で明らかになったこと
‐学術の役割と課題を聞いて

8月31日学術会議主催のフォーラムを聞いてきました。国会、政府、民間の3つの事故調査委員会の報告が相次いで出された今、学術的な面で議論するというものでした。

「事故はまだ終わっていない」から始まる、国会事故調の黒川委員長のイントロ部分は、是非読んでいただきたい文章です。http://www.slideshare.net/jikocho/naiic-digest
この中で、想定できたはずの事故がなぜ起こったか?の根本的な原因として、政、官、財が一体になり、国策として原子力平和利用の名目で、複雑に絡まった『規制の虜(regulatory Capture)』が生まれた。など、組織を守ることが優先され、国民の命を守る安全対策は先送りされたということが書かれています。スリーマイル島事故、チェルノブイル事故後、世界は安全に対して、対策を強化し警告を出していた時期に、日本では安全保安院と電事連での馴れ合いの中で、これを優先しなかった組織体質が問題とされています。当事者である政府、東京電力の責任者たちは、責任を果たす覚悟があったのか?危機管理能力が問われています。「組織として変われるチャンスはいくらでもあったのに、変われなかった。」ことを危惧し、世界からみて、日本という国の信頼を取り戻すには、これまでと同じではいけないというコメントです。

最近の報道では、他の電力会社の管理職の人が、「福島の事故では誰も死んでいない」と言ったことが報道されています。これは氷山の一角で、いまだに原発の安全神話を広めようとしている人たちがいることは、大きな問題だと思います。3.11で変わらなければいけなかったのに、相変わらずのマインドでいることが大きな社会問題だと考えられます。

政府事故調の畑村委員長の話の中にも、電力会社の安全対策の中に、外的要因(津波)への対策を先送りしていたことが、大きな原因であるとありました。
委員長所感として、,△蠧世襪海箸狼こる、ありえないと思うことも起こると考えるべきである   見たくないものは見えない、見たいものが見える 2椎修文造蠅料枋蠅判淑な準備をする し舛鮑遒辰燭世韻任狼’修靴覆ぁ∋伝箸澆郎遒譴襪、目的は共有されない イ垢戮討亙僂錣襦△修諒儔修暴斉陲紡弍する Υ躙韻梁減澆鯒Г瓠危険に正対して議論できる文化を作る Ъ分の目で見て、自分の頭で考え、判断・行動することが重要であることを認識し、そのような能力を涵養することが重要である。とまとめています。
これを、さらに説明されました。
△砲弔い討蓮東京電力は自然災害対策において、津波に対する対策を整備せず、複数の原子炉の同時被災を考えなかった。ことが原因として言われています。ひとはものを見たり考えたりするとき、自分の利害、組織・社会・時代の影響により、自分がみたくないもの、都合の悪いことは見えないもので、自分がみたいものがみたいように見えてしまうのが、人間の特性であることを自覚し、必ず見落としがあると意識しなければならない。
の可能な限りの想定を考え十分な準備をするということは、異なる意見を聴く、考える順番を逆にしてみる、異なる視点で考えてみることが必要だ。わかったような思い込みをしている私達、考えることをやめている私達は変わらなければならない。
また、Δ牢躙韻魑掴世任る文化の醸成が必要である。嘘を嘘だと言わなかった文化があったことを指摘しました。
私は、これを即ち意見の多様性を受容することが大切であるというメッセージとして受け取りました。

民間事故調はフリーのジャーナリストの船橋洋一さんが理事長を務める日本再建イニシアティブが独自に行った、調査です。船橋さんは3.11で日本の再建に国が目覚めると期待したそうですが、15日後にそれをあきらめ、この財団法人の初めての仕事として、民間事故調査委員会を立ち上げたとのこと。3.11以後の様々な対応を世界中がみていて、国のかたちが問われているにもかかわらず、組織内の文化が変わろうとしないことが課題であると考えたそうです。
調査にあたり、様々な人たちからのインタビューを行った中で、東電トップのインタビューは断られたそうです。また、東電の内部告発はなかったが、下請けの事業者からの内部告発はあったとのこと。

検証のフレームとして、シビアアクシデントへの対策が不十分であること(そもそも、原発は原子炉と使用済み核燃料プールが同じ敷地内にある、いったん事が起これば、制御不能になるという危機意識が欠如していた。縦割り行政の元、複合災害への対策はなされていなかった)。国策民営の失敗:安全神話と原子力”ムラ“の形成。危機管理体制欠如が大きな事故に発展した。ことを指摘しました。他の2つの事故調と同様に、海外からの警告を無視し、自縄自縛と日本の技術が最高という思い込みのもと、安全対策という言葉はタブーとされ、責任者不在の状態で、原発が推進されていった。ことが問題である。としています。

事故調は責任がどこにあるかを明確にしていない点で、海外メディアなどから批判されている点もあるようですが、調査は事実を追求するためで、国会、政府、国民が調査結果を判断し、責任追及することは司法にゆだねる。今後訴訟が起きてくることは明らかである。と締めくくっています。

どの事故調も意見の多様性を活かしていない組織の問題、原発は安全であるというとんでもない思い込みを広めた政府と電力会社の文化に問題があったことを指摘しています。
一方、現場対応力では、現場の人たちが命を懸けて、対応していたことは忘れてならないと感じました。

テクニカルなことは別にしても、なぜD&Iが必要か本来の意味から、話を聴いて、組織の閉鎖性、危機対応能力などを認識し、どう変わればいいのか?みんなが当事者として考える時期です。
多様な人々の能力を生かし、組織を守ることより、企業・組織は社会的価値がどこにあるのか?を考える人を増やしていかないと同様なことがおきる可能性は否定できないと感じました。

翌日9月1日の朝日新聞朝刊に、一橋大学の野中先生(民間事故調の委員の一人)が、オピニオンの欄で、東電の失敗の本質は?という問いに、「オープンな知の総動員体制を作れなかったこと」、日本企業再生のカギは?に対して「知のダイバーシティを高め国境をまたぐことだと思います」と答えています。

私たちが推進するD&IはGenderや年代に限らず、考え方の違いも含まれます。異なることを大切にし、なぜそうなのか?など議論を尽くすことを、私たちはもっと学習しなければ、変化に対応できず、ガラパゴス化がもっと進むだけになるのではないでしょうか?

また、先日先送りばかりして、決定を遅らせる、実行しないなどの現象を“Japanization”と海外で言われているという番組がありました。世界でアニメや日本食への評価は高く、良い意味での“Japanization”は嬉しいことですが、先送り=日本というのは、情けないことです。
| Maki | その他 | 14:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
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