Diversity & Inclusion Blog

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DBJ女性起業家ビジネスコンペ受賞者発表

女性の起業が日本経済を変える
−新ビジネスプランコンペティションの最終審査結果が発表されました−
藤井 幸子

日本政策投資銀行に女性起業サポートセンター(センター長は栗原美津枝さん)が昨年11月に設立され、女性起業家を日本でも本格的に育成しようという動きが出てきました。目的はタイトルにあるとおり起業家精神に富んだ女性の視点から、新しいビジネスを立ち上げるひとを、資金面、精神面でも事業化サポートしようというものです。女性起業家は資金力のために、小さい起業サイズになる可能性があり、ビジネスを成長させるにはいくつものハードルがあることがその背景にあります。

コンペへの応募が643件もあり、その中から審査の結果、ファイナリスト10名が選ばれ、ファイナリストに対するメンタリングを経て、最終プレゼンテーション審査の結果発表が6月19日にありました。

冒頭は内永ゆか子さんのキーノートで、「女性起業家(女性の経済参加)は経済成長のエンジンであり、ゴールドマンサックスの調査によれば、女性の就業増加により上昇するDGPが日本は16%もある(USは9%、ユーロ圏は13%)、日本は女性の力をもっと使わなければいけない」との言葉から始まりました。
モノカルチャーやあうんの呼吸など、これまでの日本のビジネスモデルではグローバル化に対応できない時にある。多様な視点をいれた新しいビジネスモデルでイノベーションを想像しないと勝負できない!。 さらに2011年秋、APECの女性リーダーネットワークでのクリントン長官の“起業家精神をもっと大切にするべき”というメッセージが伝えられました。

しかし、企業内でもダイバーシティ&インクルージョンと言いつつも、まだまだ道は遠いこと。さらに女性起業家を育成するための仕組みが十分ではないことを力説されました(資本、市場、トレーニング・メンタリングの機会へのアクセス、ビジネス/プロフェッショナルネットワークの構築が必要な支援)。
そして、横浜市長の林文子さんのビデオによる応援メッセージでは、「女性ならではの共感力、マルチマネージメント能力を強みとして、ビジネスに活かしてほしい」とのこと。

次いで、10名のファイナリストによるプレゼンテーションがありました。皆さん堂々としてご自分のビジネスプランを発表しました。年代は様々で20代から60代までの広がりがありました。

グローバル人材を育成する目的で、全寮制のインターナショナルハイスクールを設立しようとしている小林りんさんは、リーダーシップのキーワードとして“Diversity”、“リスクを恐れない”、“問題設定能力”を挙げています。すでに経済界のサポートはあり、多くの企業や個人からの寄付が集まったとのことです。

広島で最大のシェアオフィスを運営している牛来千鶴さん(DBJ女性起業優秀賞を受賞されました)は、起業家やクリエーターを巻き込んで、次のステップとしてコラボによるモノづくり、さらに人育てをめざしています。モノづくり広島で“あったらいいな”をかたちにするビジネスモデルプランを発表しました。広島のモノづくりにもかかわり、もみじまんじゅうの変わり種、広島名産の日本酒造りから辛口発泡濁り酒を作り、すでに年間3億円の売り上げになったとのこと。

軒先.comを主催する西浦明子さんは、勿体ないスペースや時間帯(遊休スペースやほとんど利用されない時間帯)を貸したい人、借りたい人をマッチングさせる不動産活用の新しいビジネスモデルです。このようなサービスを通して、新しいライフスタイルや、シャッター通りを活性化するなど、世の中を変えたいという想いで始まっています。

Vege-provider事業を提案するエムスクエアラボの加藤百合子さん(DBJ女性起業大賞を受賞しました)は、持続可能な農業をめざしています。生産者と消費者の橋渡し役として信頼関係を結び、生産者は何をいつ生産・出荷するといいのか、双方に価値をもたらす農業の流通革命から、社会基盤としての農業を衰退から救いたいというビジネスプランです。

東日本大震災からの復興支援のビジネスモデルとして、鹿島美織さんは本業と並行して、震災復興支援の「ぐるぐる応援団」を設立し、持てるスキルや時間を使って、現地で必要なものを、現地の人が商品として提供できるような仕組みづくりを提案し、被災者の自立支援のために役立ちたいとのプログラムでした。

気仙沼でデニム会社を経営する及川秀子さん(女性起業震災復興賞を受賞されました)は、“漁師町から生まれるファッション”作りをテーマとし、地域資源(モノ、スキル、ヒト)を使って、Made in Japanのブランドづくりをするというプランです。

多くの方に共通する点は、問題発見能力に優れ、そこからビジネスシーズに気づいたこと、社会を変えたいという想いがあることです。
起業家精神は以上のようなリーダーシップの側面を持ち、自ら行動することにあると思います。組織の中にいても起業家精神は養うことができるし、発揮することも可能です。

この日の授賞式、リセプションには何名もの大臣(経産省大臣、国家戦略担当大臣、男女共同参画担当大臣)や国会議員が顔を見せました。皆さん、「女性の強みとして、過去にとらわれない新しい発想を使い、頑張ってもらいたい」、「Globalにおける日本の女性活躍は遅れている、公務員世界を変えていく」、「女性が経済再生に貢献する」とか、「女性は経済戦略に大きく貢献することを、政府方針の中に組み入れる」などの挨拶をされました。これが言葉だけでなく、政府として縦割り行政から脱皮して、女性に限らず起業家をサポートする風土・仕組みを実現してもらいたいと思いました。

DBJの女性起業センターが、立ち上げ後短期間である程度の結果を示しましたが、今後も継続して女性起業家サポートのコアとなって、起業家サポート事業を継続することを期待しています。

日本政策投資銀行HP
http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2012/html/0000010265.html

| Maki | - | 04:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
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国家公務員総合職の合格者、女性が23% 過去最高

国家公務員総合職の合格者、女性が23% 過去最高

 人事院は25日、2013年度採用の国家公務員試験で、1種試験を廃止して設ける「総合職」試験(大学院・大学卒業程度)の合格者を発表した。合格者数は1326人で、昨年の1種試験合格者より約4.6%減。うち女性は306人で、旧「上級甲種」試験が始まった1960年度以降で最高の約23.1%を占めた。倍率は18.0倍(昨年は19.8倍)。

 野田政権は、国家公務員の来年度の新規採用者数を政権交代前より56%減らす。ただ、各府省による面接などを経て決まる総合職の採用予定者は517人。今春採用した1種試験合格者は546人だった。総合職は「キャリア制度」の廃止に伴って導入される。

朝日デジタルより転載
http://www.asahi.com/politics/update/0625/TKY201206250071.html
| Maki | - | 15:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
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D&I研修を実施して

寄稿:頭でわかっていても、行動には現れていない
 『ペンギンの国のくじゃく』を見て、アンケート結果から
 SSさん

 Diversity&Inclusionに携わる方々なら、『ペンギンの国のくじゃく』のDVD((株)アイエヌエーインターナショナル発行)をご存知の方も多いことと思います。ご覧になった方や本で読まれた方もおられると思います。

 私が勤務する会社は、D&Iにおいてはまだ“平安時代”とも言える状態です。
既にD&Iに取り組んで5年以上が経過しているのですが、「頭でわかっていても、行動には現れていない」。いわゆる意識面では「認めていない、認めたくない」という段階かと思います。
 その段階を認識しつつ、この度とてもチャレンジな試みを実施しました。
必須研修の一部に、この「ペンギンの国のくじゃく」DVDをすべての非管理職層1000余名に見せ、アンケートをとり、その後アンケート結果に基づいての意見交換を行いました。
 今までまともにD&Iについて話し合った事もない組織ですので、興味深い結果になりました。その一部を抜粋してご紹介します。

問:「今の自分を、DVDに登場する動物たちにあてはめるとしたら何でしょう?」に対する回答は・・・。

 ー分自身は弱い、何も言えない、普段は認められていない。
  が、いざという時には力を発揮する“白鳥”である。
◆ー分は非管理職だから、(≠)ペンギンではない。
 自分は“くじゃく”である。何故なら実力があるのに認められていないから。
などが主な回答でした。

,蓮⊆紊ぜ分自身を庇護するようなイメージです。
△蓮▲撻鵐ンを、王国を支配する管理職のようなイメージだと考えた人も多く、従って、考え方ややり方ではなく、自分はペンギン以外だという意見です。また、中途採用者ではないのに、と答えた人も相当数いました。この人たちは、自信の裏返しなのでしょうか。


問:「本編と同じような事象は身近に起こっていますか? 起こっているとしたらどう対処すればいいと思いますか?」という問いに対しては様々な意見があがりましたが・・・。

 )槓圓里茲Δ僕ソ┐任呂覆ぁ肇献礇奪”が増えている。
◆‐旦謀だが実力のある人が活躍できない職場環境である。
 一部の、古くからいる人たちだけが上司とつながっており、出世の道が開けている。
など、前広にとらえている答えが多かったのです。

 実際にディスカッションをするなら、ある部・課の事象をとりあげてケーススタディとし、そのケースを掘り下げたディスカッションをする方がいいのではないかと思います。そうしないとD&Iの海に舟を漕ぎ出すのは相当に厳しそうです。

D&Iは、頭では理解できても、実際の行動に表すというのは本当に難しいことだと痛感した出来事でした。

『ペンギンの国のくじゃく』については下記(株)アイエヌエーインターナショナルまで。
http://www.ina-int.co.jp/goods/crmlearning/peacock.php
| Maki | 最新D&I情報 | 14:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
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スー・チー氏のノーベル平和賞受賞演説要旨

逆境の中で私が見つけたもっとも大きな喜びは、「思いやり」の価値を学んだことである。

21年の時を経ての演説です。「無関心の宇宙にいるようだった」と語るスー・チー氏は苦難の中、志高く生きてきた女性リーダーです。忍耐強く信じる道を歩み続ける人に明けない夜はありません。勇気をいただきました。


スー・チー氏のノーベル平和賞受賞演説要旨 (共同通信より)
2012年6月16日 22:20カテゴリー:アジア・世界

 何年も前、私は英オックスフォードで息子とラジオ番組「無人島のレコード」を聴いていた。
 著名人が招かれ、無人島に流された場合に携えていきたい8枚のレコード、聖書とシェークスピア全集以外の1冊の本、一つのぜいたく品が何かを語る番組だった。
 番組の最後に、息子が番組に私が招かれることがあるだろうかと尋ねた。「もちろんよ」。私は軽く答えた。息子はどんな理由で呼ばれると私が考えているのかを尋ね、私は「多分、ノーベル文学賞を取るからよ」と答え、2人で笑った。

 今回の演説稿を書いている間、私は授賞が発表された際の自分の反応がどんなだったかを思い出そうと懸命に努力した。
 こんな感じだったと思う。「おお、彼らは私への授与を決めたんだ」。現実感は全くなかった。なぜなら私はその時、自分自身を現実的に感じられなかったからだ。
 自宅軟禁の時しばしば、まるで自分が現実世界の一部でないかのような感じがした。自宅が私の世界であり、自由を奪われ監獄にいる人々の世界、それに自由な世界があった。それぞれの世界は、無関心の宇宙の中で、独自の道を突き進む別々の惑星のようだった。

 平和賞は、自分が暮らす隔絶された空間の外部にいる人々の世界に私を再び引き寄せ、現実感を取り戻させた。
 何日も何カ月もたち、授賞に関するニュースが電波に乗って伝えられるにつれ、私は受賞の意義を理解し始めた。
 それは私を再び現実に引き戻させた。さらに重要なことは、ビルマ(ミャンマー)の民主化や人権の闘争を世界に知らせたことだ。われわれが忘れられることはなかった。
 忘れ去ることは一部の死を意味する。忘却とは他の人類とわれわれとをつなぎ留める輪の一部を失うことだ。

 最近のタイ訪問でビルマからの労働者や難民に会ったとき、多くの人たちが叫んだ。「私たちを忘れないで」。ノーベル賞委員会はビルマでの抑圧や孤立もまた世界の一部であり、人類が一つであることを認識していた。   私にとって受賞は、民主主義と人権に関する私の懸念が国境を超えて広がったことを意味する。平和賞は私の心の扉を開いた。

 私の国では、北部では武力衝突がやまず、西部では今回の旅に出る数日前、集団間の焼き打ちや殺人が起きた。
 残虐行為のニュースが地球上にあふれている。平和の土台をむしばむ勢力はどこにでもいる。平和が死んでしまう場所は戦争だけではない。体面を傷つけたり、敵意や怒りを与えたりする苦痛が無視された場所にはすべからく、紛争の種が存在する。

 仏教徒の私が一般的に「苦痛」と訳される言葉「ドカ」の本質を調べようとしたのは自宅軟禁中だった。六つの「ドカ」とは身ごもること、年を重ねること、患うこと、死ぬこと、愛する人と別れること、愛していない人との生活を強いられることだ。

 自宅軟禁中に私は何度、大好きな世界人権宣言の前文から力をもらったことだろう。
 「人権の無視や軽視は、人間の良心を踏みにじる野蛮な行為をもたらした。言論や信仰の自由を享受でき、恐怖や欠乏のない世界の到来は、人々の最高の願望として宣言された」「専制と圧迫に対する最後の手段として人々が反乱を起こさざるを得ない状態にしないために、法の支配によって人権保護することが肝要である」

 もし、なぜビルマで人権のために闘い続けるのかと問われたら、以上の文章がその答えだ。ビルマで民主主義のために闘い続けるのは、民主主義の制度と実践が人権を保障するために欠かせないからだ。
 この1年、民主主義と人権の価値を信じる人々の努力が実を結びつつあることを示す兆候が出てきた。
 私がきょう皆さんと共にいられるのは、わが国の最近の変化のおかげであり、これらの変化は、われわれの状況に世界が関心を払うために努力してくれた皆さんら自由と正義を愛する人々によってもたらされた。

 ビルマでは政治犯がまだ収容されている。有名な政治犯が釈放されたことで、残る無名の政治犯が忘れられてしまうとしたら警戒すべきことだ。
 ビルマは多くの少数民族からなる国で、将来の信頼は、真の団結精神によってのみ形作られる。
 1948年に独立して以来、国全体が平和と言えた時期は一度もなかった。対立の要因を取り除くために必要な信頼と理解を醸成できなかった。
 ここ数カ月、政府と少数民族勢力との間の交渉は進展している。停戦合意が、国民の強い願望と団結の精神に基づいて形成される政治的解決につながることを希望する。
 国民民主連盟(NLD)と私は、国民和解のプロセスでどんな役割でも担う準備ができている。テイン・セイン大統領によって実行に移されている改革は、国民生活が向上した場合のみ、効果的と言うことができ、その意味では、国際社会は死活的に重要な役割を担っている。

 わが国の潜在力はとてつもなく大きい。ただ繁栄のためではなく、国民が平和かつ安全、自由に暮らせる調和がとれた民主社会をつくるために、この潜在力を伸ばし、発展させるべきだ。

 世界の平和は一部だけをほかと切り離すことはできない。世界のどこかで負の勢力が正の勢力より優勢であれば、われわれ全てが危険にさらされる。全ての負の勢力を駆逐できるかは疑問が投げかけられるだろう。単純な回答は「ノー」だ。
 究極の世界平和は、達成不可能なゴールだが、われわれは追い求め続けるべきだ。平和を達成するための共通の努力は、個人と国家を信頼と友好で団結させ、人間社会をさらに安全かつ思いやりのあるものにさせることを助ける。

 私は「思いやり」という言葉を熟考した上で使った。長年にわたる慎重な熟考とも言える。
 逆境の中で私が見つけたもっとも大きな喜びは、「思いやり」の価値を学んだことである。たとえ、ちょっとした思いやりであっても、沈んだ心を照らすことができる。思いやりは、人々の人生を変えることができる。

 タイのメラ難民キャンプを最近訪れた際、支援者は「援助疲れ」に対する不安を語っていた。それは「思いやり疲れ」とも言い換えられる。「援助疲れ」は資金の減少という分かりやすい形で現れる。
 難民の要望を満たすために必要なコストは、無関心でいることから生じるコストよりもはるかに高くつくのだろうか。
 私は世界の援助者に対し、保護を求めている人々の要望に応えるよう訴える。
 難民の受け入れ国は、困難な問題に対処するための考慮や実際的な援助を受けて当然だ。

 私たちが究極的に目指すべきは、どこで暮らす人々も自由や平和を享受できる世界をつくりあげることだ。
 安心して眠りに就き、幸せに目覚められる平和な世界をつくるために手を携えよう。

 私がビルマの民主化運動に加わったころ、何かの賞や栄誉を受けることなど考えもしなかった。
 歴史は、私たちが信じる大義に向かって最善を尽くす機会を私たちに与えた。
 ノーベル賞委員会が授与を決めた時、私は自分の自由意思で選んだ道を進むことにさほど孤独でなくなった。
 ノーベル賞委員会やノルウェー国民などの支援が、平和を追求するという私の信念を力づけてくれた。(共同)
| Maki | その他 | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
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先進国20か国中ワースト4位、子どもの貧困対策は政策の第一課題のはず

日本の子どもは、6人に1人が貧困。
アメリカの子どもの貧困率がダントツで高い。4.5人に一人が貧困!

「財政難を理由に、子どもへの給付を渋り、子どもの貧困を放置することは、日本社会をゆっくり自滅に向かわせることです。今こそ、子どもの貧困に真剣に向かい合わなければいけません。「貧困の連鎖」はもう既におこっています」本文より

2012年06月05日 (火) 視点・論点「子どもの貧困 日本の現状は」より
国立社会保障・人口問題研究所部長 阿部 彩

 
先月、5月末に、国際連合のユニセフの研究所が、先進諸国における子どもの貧困について、国際比較の結果を発表しました。この発表によると、日本の子どもの相対的貧困率は、OECD35か国中、9番目に高い貧困率です。
比較的に一人当たりGDPが高い先進諸国20か国の中では、日本は上から4番目です。



日本より、子どもの貧困率が高いのは、アメリカ、スペイン、イタリアだけです。アイスランドや、フィンランド、オランダといった北欧諸国に比べると、日本の子どもの貧困率は約3倍の高さとなります。日本は、国際的にみると、子どもの貧困率が高い国なのです。

すべての先進諸国の貧困の子どもたちの総数が3400万人。そのうち、日本の子どもは305万人。なんと、先進諸国の貧困の子どもの約10人にひとりが日本の子どもなのです。



 実は、日本の子どもの貧困率が高いのは、今に始まったことではありません。厚生労働省の発表によると、1985年には10.9%であった子どもの貧困率は、2009年には15.7%まで上昇しています。この24年間の間に、子どもの貧困率は約5%上昇しました。現在は、約6人にひとりの子どもが貧困状態にあると推定されます。これは驚くべき数値なのですが、意外なのは、1985年の時点ですでに、10人に1人の子どもは貧困状態にあったということです。1985年というのは、まだ、「格差論争」さえも始まっていないころです。「1億総中流」などと言われ、「日本は平等な国だ」というのが常識でした。ましてや、貧困なんぞは、戦後の混乱期以降、解消されたと思われていたのです。しかし、その頃でさえ、日本の子どもの貧困率は決して、低いレベではありませんでした。日本は、もう長い間、子どもの貧困大国なのです。

 しかし、このような数値に違和感を覚える方々がいらっしゃるのも事実です。「ほんとうに6人に1人も貧困なのか」「私のまわりには、そんな子どもは一人もいない」「実感がわかない」そのような声をよく聞きます。確かに、一見すると、子どもたちは、ゲーム機やおもちゃに囲まれ、何の不自由もなく暮らしているように見えます。ましてや、貧困などという言葉から連想される、食事もままならない、洋服もボロボロである、といったような子どもは親の育児放棄など非常にまれなケースでしか見られません。このような豊かな社会において、「貧困」であるとは、いったいどのようなことなのでしょう?

 さきほどの、貧困率の数値は「相対的貧困率」と言われるものです。相対的貧困とは、社会において当たり前と思われていることをするのが困難となる生活水準のことを指します。「当たり前と思われていること」というのは、例えば、友人関係を保ったり、親戚とお付き合いしたり、就職活動をしたり、結婚をするためにデートをしたり、といったことです。子どもの生活でいえば、友達と仲良くしたり、学校にいったり、家族で動物園に行ったりといった、ふつうの子どもの生活です。このような「当たり前」の生活をするには、社会の標準的な所得から一定レベルの範囲に収まった所得が必要です。具体的には、社会の標準的な所得の、そのまた半分、50%の所得以下しかない世帯を相対的貧困と定義しています。金額で言いますと、1人世帯では年間の手取り所得が125万円、2人世帯では176万円くらいです。

 教育や福祉の現場からは、このような相対的貧困の状況にある子どもたちの報告が次から次へとあがってきています。例えば、病気やけがをしても、医療費の自己負担が高いからと言って病院に行かず、学校の保健室の応急手当ですませてしまう子ども。クラスでただ一人修学旅行に行けない子ども。給食が唯一のちゃんとした食事のため、夏休み中に痩せてしまう子ども。体操着が肌が透けるほど薄くなってしまった子ども。お風呂に毎日入れずいじめられる子ども。

 このような子どもたちは、飢えているわけでも、凍え死にそうなわけでもないかも知れません。でも、彼らは、さまざまな指標でみて不利な状況に置かれています。
 例えば、子どもの学力は、親の所得と非常に相関が高いことがわかっています。当然のことながら、大学など高等教育への進学する割合も親の所得と関係します。貧困の子どもは、児童虐待の被害にあったり、不登校や高校中退といった割合も高くなります。子どもの健康状態さえも、貧困の子どもは、悪いことがわかっています。そして、このようなさまざまな不利を背負いながら成長した結果、おとなになってからの就労状況や所得にも子ども期の貧困が影響します。さらには、彼らの子どもさえも、また貧困に育ってしまう、という「貧困の世代間連鎖」が起こります。

 子どもの貧困は、その子にとっても不幸ですが、社会にとっても大損失です。ただでさえ、数が少なくなっている子どもが、それぞれの潜在能力をフルに発揮し、社会に貢献する機会が与えられなければ、日本の活力はますます衰退してしまいます。だからこそ、どの国においても、子どもの貧困対策は政策の第一課題なのです。
 しかしながら、日本においては、子どもの貧困が社会問題であるという認識がきわめて薄かったというのが現状です。それを的確に表しているのが、この図です。



 これは、同じくユニセフの報告書の中からとってきたものですが、政府の再分配前と再分配後の子どもの貧困率を示しています。政府は、国民から税金や社会保険料や税金を受け取り、それを、年金や、生活保護、児童手当など、いろいろな社会保障給付として国民に返します。そういう機能を政府の「再分配機能」と呼びます。再分配のもともとの機能は、富める層から多く税金や保険料を取って、貧困層に給付するという貧困削減の機能です。この図の「再分配前」というのは、簡単に言えば、社会保険料や税金を引かれる前の所得で計算した子どもの貧困率、「再分配後」というのは、税や社会保険料を払い、あらゆる給付が来た後の所得で計算した貧困率です。

そうすると、ほとんどの国では再分配後の貧困率は、再分配前に比べて大きく減少します。青のグラフから赤のグラフに減っている分、これが政府による貧困削減効果です。
しかしながら、日本においては、青のグラフと赤のグラフの差がほとんどありません。政府の再分配機能の大きさからいうと、ギリシャ、イタリアに続いて下から3番目です。
実は、以前の国際比較では、日本の子どもの貧困率は、再分配後のほうが再分配前より高いという状況にありました。つまり、政府の再分配によって、貧困率が上昇していたのです。今回のユニセフの報告書では、かろうじて、再分配が機能していることが見えますが、ほかの国に比べると、その効果は非常に小さいと言わざるを得ません。

なぜこうなるのか。これは考えてみれば非常に当たり前のことです。というのは、貧困層は、所得税はそんなに払いませんが社会保険料は結構な額を払っています。しかし、給付は非常に少ない。生活保護は国民の2%しか受け取っていませんし、その半分は高齢者です。社会保障給付のほとんどは年金と医療サービスで、子どものある世帯への給付は児童手当くらいでした。さきほどのデータは子ども手当が導入される前のものなのですが、子ども手当が満額支給されてやっと諸外国並みの給付レベルとなるのです。

子どもに対する給付は、日本の未来への投資です。これは、将来、彼らがおとなになっって勤労者となった時に税金や社会保険料として返ってきます。ですので、決して、無駄にはなりません。財政難を理由に、子どもへの給付を渋り、子どもの貧困を放置することは、日本社会をゆっくり自滅に向かわせることです。今こそ、子どもの貧困に真剣に向かい合わなければいけません。「貧困の連鎖」はもう既におこっています。
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財務省の女性官僚が国際機関のトップに!

世銀機関トップに石井氏=女性財務官僚で初


 財務省の石井菜穂子副財務官(53)が、世界銀行グループで
開発途上国の環境改善を支援する国際機関「地球環境ファシリティー
(GEF)」の次期最高経営責任者(CEO)に内定したことが7日、
分かった。

財務省の女性官僚が国際機関のトップに就任するのは初めて。
 財務省は昨年11月、次期CEO選挙に石井氏の擁立を決定。
インド、オランダも候補者を立てたが、いずれも選挙前に立候補を取り下げた。
7日に米ワシントンで開かれるGEFの評議会の承認を経て正式決定する。 
 石井氏は1981年に大蔵省(現財務省)入省。主に国際畑を歩み、
世銀や国際通貨基金(IMF)に出向した経験を持つ。
(2012/06/07-15:39)

時事ドットコムより転載
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201206/2012060700663
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女性がもっとリーダーシップを Global Summit of Women 2012 @アテネ

速報 Global Summit of Women 2012 @アテネから
―テーマはWomen: The Engine of Economic Growth(女性は経済成長のエンジン)
藤井 幸子

今年のGlobal Summit of Women 2012は、5月31日から6月2日まで、経済危機まっただ中のギリシャはアテネで開催されています。世界70ヶ国、約900名の参加者(ほぼ女性)が一堂に介し、課題について話し合いをする、女性のダボス会議と言われているものです。今年はアジアからの参加者が目立ちます。マレーシア 70名、中65名、南アフリカ50名、USA 50名、ベトナム 48名、スペイン 40名、モンゴル 35名、コンゴ 25名です。日本からの参加者は13名でした。

オープニングに先立ち、ギリシャ発展担当大臣のYiannis Stournaras氏から “Business Opportunities in Greece and southeastern Europe”というタイトルで講演がありました。経済危機にあるのはギリシャだけではない。これはEU内部の南北問題である、という始まりでした。

EUに参加して以後、ギリシャ政府のしてきたことの反省(公務員を増やし、減らすことをしてこなかった、リーマンショック以後も競争意識が欠如していたことなどとともに、現在の経済状況についての話がありました。税率を上げたこと、賃金カット、企業が雇用を減らしていることなどです。ちなみに若者世代の失業率は50%とのこと。そして、対策の進行状況が遅れていること、変革しなければいけないことが山積みだということなど。どこの国でも同様に、強力なリーダーシップが見えない話でした。

そこで出てきたコメントは、「女性がこれだけ集まっているのだから、もっと積極的なことを話したらどうか」という意見や学生グループからは批判的なものが相当出てきていました。タクシーの運転者さんから、「ギリシャはヨーロッパの起源だから、EU各国はサポートするのが当たり前」という発言もありました。



開会式では、最近のデータでは世界の投資家のうち女性が40%を占めていることが紹介され、21世紀は、女性が経済成長のエンジンであることを強調していました。「この経済危機にあるときこそ、歴史をなぞるような男性たちに任せるばかりでなく、女性がもっとリーダーシップをとり、危機をチャンスと考えることができるのではないか」という提言から始まりました。

開催国ギリシャの大臣に始まり、継続して参加しているベトナムの副大統領からは、自国内の数字だけでなく、政治、経済でも女性のリーダーが増えることとは成長のカギになる。 環境への配慮や新しい道を切り開ける女性の能力をもっと使うことが望ましいとのコメントがあり、そのためには政府がインセンティブを女性に与えるべき(組織内でのポジションに対し)、起業家精神ともった女性リーダーを増やすことがキーとなると言われました。



女性のリーダーシップが国を安定させた例として、ルワンダが紹介されました。ルワンダでは、48%のビジネスは女性がオーナーで、国会議員の55%が女性という中で、政情、経済が安定してきたとのことです。

その後、ビジネスリーダーのパレードでは、参加者の中から女性のボードメンバーの自己紹介がありました。ナイジェリアのStandard Charter BankのCEO, MCM CEOなどに加え、日本からはプルデンシャルの深沢さんが紹介されました。

オープニング後のリセプションでは、同じテーブルにはスイスの男女共同参画のヘッドやデンマークから来た靴を作っている女性起業家、ノボノルディスクの女性といったメンバーが集い、いろいろな話をすることができました。

街を歩くと、「ほんとに経済危機か?」というくらい危機を実感することもなく、道路は清掃されて、10年前に来た時とは比べ物にならないほど、きれいになっていました。博物館では子供たちが自分たちのアイデンティテイを学ぶために、校外授業をしていますした。教育を通して、自分はどこから来たのかを知り、自信を持たせるようにしなければいけないという基本的なことが継続して実行されているそうです。その一方、このところ自殺が後を絶たないという悲劇も聞きました。

| Maki | D&Iイベント報告 | 13:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
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旅先でのマイノリティ経験

確かに、私には、積極的な言語力が求められている
藤井 幸子

昨年に引き続き、グローバルサミットオブウーマンに参加するため、トルコ経由でアテネに入るところです。その前にトルコはカッパドキアでの経験をお伝えします。

現地の旅行会社ツアーに参加した時のこと
1日目の参加者の国籍は、南アフリカにお住まいのインド人のご夫婦(息子3人はカナダに住んでいて、息子たちを訪ねる途中旅行中)。台湾の家族3人(娘さんがドイツに留学中で、両親とともにトルコ旅行)、シンガポールとマレーシア人の女性二人連れ、中国昆明出身の女子大学生(UKで勉強中。一人で参加)、と私が一人参加。英語もインド訛り、シンガポール訛り、ドル個人ガイドの英語と、理解するにはかなりの努力が必要でしたが、シンガポールとマレーシアからの若い女性二人連れは、積極的にみんなに話しかけて、話のきっかけを作っていました。
ここには国籍、世代、民族の多様性がある中で、共通の体験をしつつ、その場限りの関わり合いですが、面白いものでした。

その2:中国人グループのエネルギーには負けそう
バルーンに乗る体験をした時のこと。朝早くホテルにバスが迎えに来ました。そのバスの中は日本人旅行者だけで、全員がリタイア組でした。ケニアに行った時のこととかを話している、いわゆるVIP待遇ツアーの人たちとバルーンに乗るために集合場所へ行くバスに便乗しただけでした。ここで私が感じたことは、最近の日本人観光客は、海外に行ってさえ、自分たちのグループだけで動いているので、外から見るとおとなしい、高齢の方が多い団体客。問題はあまり起こさない人たちと見られているようです。

いよいよバルーンに乗ります。30人強のバルーンのかごの中は、中国人観光客が8割以上、あとはバルーンを操縦する現地の方、フランス人の御夫婦、韓国女性の二人づれと私の6人だけ。中国人観光客は年代も若く、好奇心にあふれています。他人の話をあまり聞いていないので(グループでいるためでしょうか?)、うるさいこと。そして自分たちが中心であるかのような行動。(過去に日本人が海外でこんな行動だったのでは?)。ほかの人たちがいることは意に介していません。決していい悪いの判断をするべきことではないのですが、外から見るとどの国の人たちがエネルギーにあふれているかが見えてきます。

その3 南半球の人と北半球の人
2日目のツアーでは、南アフリカからの家族4人、前日も一緒だったインド人ご夫妻、アルゼンチンから旅行中の女性(かなりのベテラン)4名に私が一人参加。
運転手とガイドを除き、南半球の人が9割を占め、北半球は私1人。自然と南アフリカの話が中心になります。今の南アフリカは、“現地の人”というと、ヨーロッパから3代以上前に移り住んだ人たちも含まれ、多様の人種構成になっている国だということを実感しました。こんな中で共通話題の一つは、食べ物でした。

以上の3つのシーンで、私は常にマイノリティでしたが、皆さん一人で旅行をしている私にも気を使って話しかけて下さり、ランチの時に一緒のテーブルでと誘って下さったことが嬉しかったです。

客観的にヒトを観察することでいろいろなことが見えてきます。行動に違いが出るのは、文化的背景や、何を基準で行動を決めているかなど、好奇心を持って見ていると、なかなか面白いものでした。

この経験を通して、日常よりもっと積極的にコミュニケーションを取ろうとしないと、日本のことや、日本人を理解しようという気にはならないだろうなと思いました。

| Maki | 最新D&I情報 | 13:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
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男女賃金格差国際比較、日本は男性の賃金の37%

5月22日、「第1回女性の活躍による経済活性化を推進する関係閣僚会議」で、中川特命担当大臣により、男女の賃金格差の割合が発表されました。

日本の女性の賃金は、男性の賃金の37%。
4割を切り、3分の1にしかなりません。

非正規雇用で働く女性が5割を超え、年収150万に満たない女性が増え続けている現状では男女の格差は開く一方です。

各国政府では民間団体と協働して、女性の地位の指標ともいうべき男女の賃金格差をなんとか縮小すべく、さまざまな努力が続けられています。

少子化を食い止め、いまやV字回復を果たしているフランスでは、男女半々が閣僚入りする「パリテ政権」を実現し、新たに「女性の権利省」が設けられました。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-18084978


資料3 女性の活躍による経済活性化に向けて(中川内閣府特命担当大臣(男女共同参画)より抜粋

http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120522/shiryo3.pdf




| Maki | 最新D&I情報 | 12:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
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